論評の自由を認めない独善主義

3日前にこのコラムで志位委員長の対応は昔に比べると「腰の引けた対応」と書いたことが多少影響したかどうか知らないが、昨日付のしんぶん赤旗で毎日新聞のコラムに対する大きな反論文が掲載されたかと思えば、本日付の同紙には同党広報部長が毎日新聞社を訪問し、政治部長あてに抗議を行ったニュースが2面に掲載された。あまりにも異常である。この場合の抗議先は当然ながら毎日新聞に向けられているが、その元となった記事は事実に基づかないかといえば、そうではないからだ。矛先となっているのは「論評」であって、「事実摘示」ではない。一般に事実に間違いがあれば、それはデマ記事として批判の対象になり、名誉毀損で民事裁判に訴えれば勝訴することもできる。だが今回の場合はそうではない。執筆者の「論評」に関わる部分に文句をつけているにすぎず、いうなれば記者の自由な批評を許さない姿勢を一つの政党が頑なに示しているということにすぎないからだ。それは紛れもなく、「言論の自由」への侵害に当たる。共産主義政党は世界共通の現象として「言論の自由」を認めない態度で知られるが、日本共産党も例外ではないということを彼らは自分たちの紙面にわざわざ「証拠」として残しているわけだ。あまりにも愚かな行動というべきだろう。

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