本日付朝刊は横浜市長選の結果に関するものが目立った。地元選出の立憲議員がこのまま総選挙まで菅首相のままでいてほしいと漏らした旨の言葉は、野党側からすると現状のトップ(顔)のままでいてくれるのが最良との本音だ。ある民放の調査では支持率が25%と完全な危険水域に達している。永田町の常識では支持率が25%以下になると、回復は不可能というものがある。一方、本日付のしんぶん赤旗は「横浜市長選 市民・野党共闘の勝利」の見出しで、小池書記局長の会見記事を掲載した。これは完全なプロパガンダの類だ。実態は、地元の共産党アレルギーを払拭するために街頭演説などでも共産党との同席を行わず、共産色を極力消すことで、アンチ共産の立場の連合などの支援を最大限受けることができた結果と立憲側が認識している旨の報道が見られた。この「家庭内別居」あるいは「嫁隠し」ともいってよい状況は、仮に野党連合が政権を取った場合にも引き続き継続されることになることは明らかだ。すでに今から国政が混乱することは目に見えている。
かつての京都府政の教訓と同じく、仮に野党連合が政権をとったとしても、最初は日本共産党は猫のようにおとなしくしているかもしれない。だが形勢を変えられると判断した段階で、一気に事を起こすだろう。具体的には公安調査庁など敵対してきた役所の情報収集、共産シンパ人脈の構築などを着実に進め、一気に権力機関を掌握する手法をとるだろう。日本共産党にとっての政権入りは、自分たちの綱領に掲げる「共産革命」のための一里塚にすぎない。つまるところ認識するとしないとにかかわらず、同党の共産主義革命に手を貸している現実の勢力は、今の立憲民主・国民民主・社民党ということになる。
現与党が菅首相で総選挙に臨むなら野党としては最大限に歓迎、与党が「顔」を変えても“追い込まれ選挙”である事実はもはや変わらない。マックスレベルの時間的猶予のもと、野党勢力は最大限の協力構築が可能になるし、抜き打ち解散に比べれば、その差は歴然としている。昨年末の時点で解散を打てなかった新米宰相の大局観のなさが招いた結果といえばそれまでだろうが、現与党が政権を継続しようと、野党が一時的に政権をとろうと、国民・有権者・市民にとってプラスとなる政治にならなければ意味はない。