『Hanada』の異変

日本の右派文化人がトランプ大統領の敗北を受け、「陰謀論」と「現実論」に分かれて争っていたのは事情通なら聞き知っていることだ。日本の右派煽動誌として知られる月刊『Hanada』『WiLL』とも、先月発売の1月号では「陰謀論」特集を仲良く足並みそろえて行っていたが、今月発売の2月号になって一転、『Hanada』は「現実論」に傾いた。2月号で、軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏による「米大統領選をめぐる陰謀論とQアノン」という12ページの論考を掲載し、「トランプ陣営がいくら探しても、不正のエビデンスは見つかってない」「今回の選挙ではバイデン陣営によるトランプ批判の言説にはほとんどフェイク情報は見当たらず、フェイクの発信源は圧倒的にトランプ陣営側に集中していたことは間違いない」と結論し、『WiLL』とは一線を画する形となった。

梯子を外される格好となったのは、百田尚樹・有本香・門田某などの「デマ3兄弟」ら。門田などつい最近まで、トランプ大統領による大統領令が発出され、選挙は無効になる旨を真顔で発信していたものの、この『Hanada』が発売されてからは、やっと“弱気”になったものと見え、強気の発信をようやく控えるようになった始末。空想ではなく、事実(ファクト)の前にようやくひれ伏した格好だ。

話はややこしくなるが、産経新聞は、新聞メディアなのでファクトのない事実は報道できない。そうしたしばりのもと、当初から「現実論」の報道を行い、日本の一部右派による「陰謀論」には加担しなかった。結局、日本の一部右派のお粗末さが露呈したのは、上記の「デマ3兄弟」のような面々である。特に門田某は、信平狂言事件に見るまでもなく、再び、完全なデマに踊らされ、惨めなムクロをさらすことになった。

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