白鳥事件――日本共産党による殺人事件「余話」

仕事上さまざまな資料に当たっていると、思わぬところで思わぬ資料に遭遇することがある。最近も1957(昭和32)年ごろの沖縄の新聞を繰っていて、白鳥事件に関する当時の思わぬ報道を目にした。この事件は5年前の1952年に当時の日本共産党が全党あげて行っていた国内テロ活動の一環で、札幌の警察幹部を憎しみのあまり組織的に殺害計画をたて、夜間、背後から拳銃で銃殺したという事件だが、その後、実行犯を党組織あげて逃亡させ、当時もまだ犯人検挙に至っていなかった。結局実行犯ら数人は同じ共産主義国へ潜伏させていたことが後年明らかとなる。その沖縄紙では「沖縄に偽名入国の疑い」「白鳥事件犯人5人を特別手配」となっており、5人の関係者に沖縄在住の知り合いがいるため、沖縄に潜伏している疑いがあると地元警察発でなされた報道だったようだ。この事件については「第三文明」誌の連載の関係で多少調べたことがあったが、沖縄潜伏の話は聞いたことがなかったので、「へえー」と感じたのだ。実際は当時の報道だけで、信ぴょう性はなかった話(当局側の予断)と思われる。この事件について同党はいまも、知らぬ存ぜぬを貫いたままだ。共産主義勢力のテロ事件というと、日本では革マル派や中核派がすぐに思い浮かぶが(いずれも日本共産党から派生した組織)、実際は同党自身も、公然とテロ活動を行っていた。当時の沖縄紙では、白鳥事件について「5年前の赤色テロ」との見出しもある。党所属の個人的な跳ね上がり者が起こした事件でなく、党組織あげてこのような犯罪行為に手を染めながら、いまだに反省もないまま「合法的に存在」する政党は、日本国内においては日本共産党だけである。たとえどんなに目先で耳障りのいい主張をしているように見えたとしても、野党連合を含め、この党を絶対に政権内に入れていけないと私が主張する理由がおわかりいただけよう。

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