史実を捻じ曲げたい「産経」の姑息な手法

産経新聞が慰安婦問題に過剰と思えるほどに反応し、南京虐殺を真っ向から否定しようとする立場であることは比較的よく知られている。約一週間前の記事だが、3面に大きく「『虐殺』写真に裏付けなし」の記事(東京本社版)が掲載されていた。昨年さまざまな賞を受賞した日本テレビ系で放送された番組作品「南京事件 兵士たちの遺言」の矛盾なるものをさまざま述べているが、本質的にはほとんど何の影響力もないような主張内容だ。そもそも南京事件は、写真で裏づけられているような浅薄な問題ではない。上記の番組が重点的に取材した部隊だけでも、2万人規模の皆殺し作戦を行ったことが史料や証言などから裏付けられている。これを事件といわずして何と言おう。確かに南京事件は、中国全体で行われた日本軍による大量殺害の規模に比べれば、一部の事件だったかもしれない。ただしそれを史実に基づいて認めるのか、あるいはいくら証拠があったとしても「認めようとしない」のかは、まったく別次元の問題だ。

【産経ニュース】 http://www.sankei.com/premium/news/161019/prm1610190008-n1.html

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