日本共産党および関連する市民運動へのスタンス

この4月に『ガラパゴス政党 日本共産党の100年』の著作を上梓させていただいた。日本共産党が100年近い歴史の中で、初めて、政権入りを具体的に明言する事態に危機感を覚えたからだ。この党が「独裁主義」の政党であり、世界で多くの害悪をまきちらしてきたことは明白である。私は共産主義政党がその鎧を公然と着たまま、政権入りする事態は、長い目でみて日本の危機につながると確信している。

 一方でこの国の市民運動において、同党勢力は大きな基盤を有している。具体的にいうと、平和や人権の分野で、重なることが多い。慰安婦の真実を求める運動や南京事件に関する研究や運動でも、党員やシンパの方々と目される人は多い。重要なことは、冒頭の前者と後者を立て分ける必要があるということだ。私は日本共産党の掲げる共産主義の実現を完全否定する立場だが、一方で、平和や人権を守る運動をその人の主義・主張によって差別するつもりは毛頭ない。私は日本共産党員を基本的に「まじめな人びと」とみなしており、個々の人物において悪い人はあまり見たことがない。このスタンスの立て分けは、この国で平和や人権の分野に関わると、非常に重要なことに思える。いまのように右傾化著しい日本の政治・社会状況からするとなおさらである。

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