門田ノンフィクションの虚構 7

門田隆将が裁判所公認の「盗用作家」である事実はもはや世間ではあまり取り上げられないようだ。現役の作家でこのような恥ずべき認定を司法から受けた作家は少ない。同人が日本航空機墜落事故の遺族から聞き取った話をまとめたノンフィクションで遺族とトラブルになり、裁判沙汰になったのは2011年。

事故で夫を失った女性が自分で体験談の本を出版していたが、門田はその女性から了解を得ないまま、女性の書いた文面を自分の文章に取り入れて、自分のもののようにしてしまっていた。その女性が憤慨し、訴えを起こしたというわけだった。

1審、2審とも女性の訴えが認められ、それぞれおよそ58万円の損害賠償が作家の門田に命じられた。最高裁判所もそうした認定を是認し、2015年5月13日、日本の最高司法機関において門田隆将こと門脇護の「盗用」は正式に認められる結果となった。

だが本人は悪びれることもなく、自分の正当性だけをいままでずっと主張してきた。「こんな判決がまかりとおれば、ノンフィクションは書けなくなる」。これが同人の主張だが、この言葉はまったくの嘘だった。同人の最大の過ちは、本文中で出典を明記しなかったという1点につきる。もし明記しない形で書きたかったのであれば、その旨、著作権者である女性に了解をとっておくべきだった。

こんな単純な事実を「認める」ことなく、自分の正当性ばかりを主張する人間。この態度は過去の信平狂言事件においてもまったく同様の姿である。プライドだけが、人の数倍高い人格特性であることが明瞭である。

トラックバック・ピンバックはありません

ご自分のサイトからトラックバックを送ることができます。

現在コメントは受け付けていません。