南京大虐殺と沖縄戦のつながり

沖縄戦で日本軍の現地司令官が自決し、事実上の沖縄戦の区切りとなった6月23日から75年の日を迎えた。本日付の朝日新聞も天声人語でこの問題を取り上げている。当時沖縄に展開した日本軍は、南京攻略戦に参加した部隊も含まれ、多くの婦女強姦、事後の殺害などを繰り返してきた当の部隊だったことで知られる。そのせいもあってか、沖縄では米軍に投降すれば女性はレイプされ、男性は八つ裂きにされて殺されるといった噂が広められ、住民のかなりの部分がその脅しを信じた。沖縄での集団自決はそうした背景のもとに頻発した。その意味では、沖縄戦は旧日本軍が蛮行の限りを尽くした南京事件と明確に一本の線でつながっているのだ。本日付の天声人語は、このとき、英語のできた移民が米軍はけっして住民に手は出さないと住民側を説得し、無事に投降させた話を掲載している。要するに、米軍は軍人以外の一般住民に直接危害を加える意思はなかった。そのため、投降して命を長らえて戦後を生き抜いた人と、その場でやむなく自害し、自分の人生を終えてしまった人とで明暗が分かれてしまった。天声人語は、最後にこう書く。「日本社会が単色に染まるなか、…」。単色の意味は、現在の右派言論のことだろう。右派言論の象徴ともいえる櫻井よしこ氏は、いまも南京大虐殺は「歴史の濡れ衣」などと事実に基づかない無反省な主張を自著の中で臆面もなく繰り返している。こんな「嘘つき女」でしかない言論人が跋扈するような国は、とてもまともとは言えまい。

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