日本共産党の反知性主義②

日本共産党のわかりやすい反知性主義は、次の言葉にも見られる。最近よく同党が使っている「中国の覇権主義・人権侵害は共産党の名に値しない」というフレーズである。その同じ中国共産党の建国を過去には天まで持ち上げて、「中国革命の偉大な勝利」と自らの綱領で賛美していたのは同じ日本共産党である。あるときは「偉大な勝利」、あるときは「共産党の名に値しない」。要するに彼らは共産主義の先行きを見通すことのできない、洞察力ゼロの政治集団にすぎない。これは一定の長いスパンで同党の歴史を俯瞰すれば一目瞭然のことだ。現在の同党の姿だけを見てこの党のシンパを気取る学識者まがいには、それらがまったく視野に入っていない。ひるがえって、日本共産党は自分たちのめざす理想像は素晴らしいものと思い込んでいるが、過去の同党は「ソ連を先頭とする社会主義陣営の闘争をあくまで支持する」(1961年綱領)と、自らの未来の姿をソ連ほか社会主義陣営にそのまま投影して託する形で、信じ込んでいた。だがそれらがすべて失敗すると、手の平返しで自分たちだけが正しいと言い出した。これも一つの責任転嫁の手法であろう。子どもらが複数で親に叱られる問題行動を起こしたとする。そのとき自分だけが悪くないと主張する姿と何ら変わりない。極めてわかりやすい反知性主義といえよう。

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