「4月総選挙見送り」というが‥

全国紙の中では安倍首相の最大の応援団ともいえる産経新聞が突然「4月23日総選挙あるか」と題する1面トップ記事を掲載したのは3月20日のこと。その記事の下には同紙のエース記者・阿比留瑠比政治部編集委員のコラムを掲載し、「首相もそろそろ国会に対する『戦略的忍耐』をやめてもよいのではないか」「首相は平成29年予算成立を待って『立法府の意義』を問うて衆院解散・総選挙に打って出てはどうか」などと、首相に対し、紙面上で“指南”していた。そうして本日の産経は1面で、「首相、4月総選挙見送り」と打っている。

もともと産経新聞が看板記者を動員して勝手に打ち上げた花火を、自分の新聞で約一週間後に否定する記事を掲載する。いわば、新聞による自作自演行為とも見えなくもないが、このような打ち上げ記事を掲載した全国紙は、私の知る限り、産経新聞だけだ。

先の阿比留記者のコラムによると、森友国会について、「国民の血税が毎日、無駄に浪費されている」と自説を展開。さらに「心胆を寒からしめる、目を覆わんばかりの異様な光景」と表現し、最後に安倍首相に対し、解散総選挙を指南するという筋書きである。

産経新聞はいつからこれほどに、偉そうな新聞になったのだろうか。単純な客観情勢を記事にしたのではなく、自ら首相に命令する。彼らは安倍首相が国会で窮地に立っている状況が、よほど気に食わないようだ。それを擁護するには、何でもするという姿勢にさえ受け取れる。

ともあれ、最初から4月解散など、ふつうに考えてもありえない話であろう。

 

 

【産経ニュース】 http://www.sankei.com/politics/news/170328/plt1703280004-n1.html

【阿比留記者のコラム】 http://www.sankei.com/politics/news/170320/plt1703200017-n1.html

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