松川事件と白鳥事件

日本共産党員が犯罪者とみなされて逮捕・起訴され、同党が全党あげて「無罪キャンペーン」を展開した事件として1949年の松川事件、および1952年の白鳥事件がある。いずれも権力による謀略として同党はこれまで描いてきたが、その帰結は対照的な結果となった。 松川事件は一転して全員無罪で終わったのに対し、後者の白鳥事件は、有罪判決となり、共産党が組織ぐるみで起こした警察官殺害事件であったことが裁判で認定されたからだ。白鳥事件の実行犯は中国に逃亡し、二度と日本の土を踏むこともなかった。生前彼らと接触したジャーナリストによる肉声の記録も出版されている。そうした経緯があるためか、現在の日本共産党は白鳥事件については口をつぐみ、避けることが常態化している。一方、松川事件についてのみ宣伝に使うという具合である。案の定、本日付のしんぶん赤旗(社会面)には、松川事件に関する記事が掲載されている。当初はどちらの事件も冤罪事件として大々的にキャンペーンしながら、いまでは片方のみを宣伝する日本共産党。都合のよい事実のみを使い、都合の悪い事実を隠すのは、今の安倍政権の体質と何ら変わるところがないようだ。

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