日本共産党のロシア流プロパガンダ

本日付のしんぶん赤旗では、志位委員長が社民党の党大会に招待されたことが報じられている。6年前に初招待されてからすでに3回目ということで、志位氏本人はスピーチで「常連にさせていただいております」と笑いをとっている。四半世紀も前のことだが私も3年ほどこの政党の機関紙で仕事をさせていただいた当時から考えると予想もできない事態だ。私がいたころの社民党は、新党さきがけといつ合併するかといった話題が主だった。話は変わるが、同じ赤旗の3面に、今日も「旧ソ連時代から覇権主義許さず」との内容で宣伝を強めている。要するに現行ロシアからの悪イメージの火の粉を振り払おうと懸命な姿の反映とも受け取れるが、確かに同党が旧ソ連を舌鋒鋭く日本共産党が批判した事実があることは確かだが、その前に同党がソ連の子どもとして誕生した事実は何も書かれていない。ソ連共産党を親と慕い、ソ連共産党を母体とするコミンテルンの支部として誕生しながら、そうした「不都合な真実」は意図的に省かれ、隠され、都合のよい「覇権主義許さず」の断片的事実だけが強調される日本共産党中央機関紙「しんぶん赤旗」――。これでは現行のロシア国内で行われている都合のよいプロパガンダと何も変わらない。しんぶん赤旗は、日本共産党の出自において、旧ソ連と密接な関係をもっていた事実をきちんと紹介し、それも含めて総括しなければ、歴史を公平に紹介したことにはならないはずだ。まして立党100周年を迎える同党の先輩たちには、志半ばで逝った人も多くいた。そうした人たちの努力は報われないどころか、意図的に無視されているに等しい。同党のそんな非人間的体質の帰結ともいえる姿だ。

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