ウソが壊した2つの社会

正しいものを正しい、間違ったものを間違っていると公正に判定する日本社会が壊れたのは、安倍晋三元首相の言動が大きな原因となっている。国会という国会議員にとっても崇高な場所で、平気でウソを垂れ流すことに抵抗がなく、国会におけるウソ答弁、ゴマカシ答弁が常態化した。この影響は一般社会にも波及し、右派言論界では明らかに安倍ダミーと見られる言論人が跋扈するようになった。門田隆将などはその典型である。いま、岸田新総理が好感度をもって迎えられているのは、ひとえに、安倍元首相らの国民に向き合う姿勢が欺瞞に満ちていたことの「反作用」にしか見えない。ウソは社会を壊す。だからまともな政治勢力はそうした姿勢を許さない。だがそれを許してきた結果が、軍事拡大を延々と続け、このままいけば戦争に巻き込まれるという現状況を作りだしているようにさえ見える。アメリカでバイデンが選挙不正で大統領になったといまも信じる共和党支持者のように、まだ日本はそこまで両極端には分かれていないかもしれないが、似たような状況はすでに生まれている。両国に共通しているのが、ウソを許す土壌であり、のさばらせた結果だ。アメリカではトランプの言動を一つの個性としかとらえず、厳しく弾劾してこなかった。日本も程度はより小さいとはいえ、その姿はアメリカと相似形である。

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