日本共産党を政権内に入れてはいけない「最大」の理由

11月までに必ず行われることになる総選挙は、政権選択選挙となる。現在の自民・公明か、あるいは共産党の入った野党連合か。だが歴史的にみてこの国において日本共産党を政権内に入れてはいけない明らかな理由が存在する。それは同党が1951年から52年にかけての一時期、暴力革命綱領である同党の「51年綱領」に基づいて多くのテロや殺人を行ったことではない。実はそのことをまったく反省していないという態度こそが、同党を政権内に入れてはいけない最大の理由なのだ。

実際、同党がその後の経過において行ったことといえば、都合の悪い「51年綱領」を「正規の綱領ではなかった」などと後世において意味を変更した事実がある。同党の発行した出版物で、「51年綱領」は一時期まで正式な綱領として掲載されていたが、宮本・不破体制になった途端、説明もなく出版物から削除された経緯がある(都合の悪い綱領の隠蔽)。さらに90年代に入ってからは、この綱領を「文書」と呼ぶというゴマカシともいえる党決定すら行っている(1993年6月25日付赤旗)。この決定の際の執行部は宮本議長、不破委員長、志位書記局長の体制だった。つまり、現在の志位委員長も「51年綱領」を隠蔽・矮小化するための工作の直接当事者だった。

人の命を奪っておいて、反省しない。一人の人間に即していえば、心から反省し、お詫びの言葉を述べ、更生をめざしてこそ、社会からは受け入れられる土壌が整うというものだろう。ところが日本共産党のこれまの70年近い歴史はどうか。都合の悪い「51年綱領」がなかったかのように隠蔽工作をつづけ、過去のテロ行為や殺人についても、現執行部は「あれは別の派閥が行ったことだから我々には関係ない」とまで公言している。およそ一般社会において通用しない理屈であり、なんら反省していない態度と言われても反論はできないだろう。「別の派閥が行ったこと」というその「理屈」について、その主張が成り立たない理由について、10月1日発売の月刊誌「第三文明」11月号の「白鳥事件と共産党」の連載であらためて指摘しているので来月になったらぜひ読んでいただきたい。

ともあれ70年近い前のこととはいえ、同じ日本人を殺しておきながら、その反省がまったく見られない同党の姿を知る者にとっては、同党が政権内に入るという行為がどのように映るかは明白だ。それは個人に即して考えればよりわかりやすい。隣人で人を殺めた人間が、何の反省もなく、その後も言い訳を繰り返し、姑息な行動をとっている姿を見せられたら、そうした人物を社会は受け入れるだろうか。それとまったく同じことである。

特に志位委員長は、この問題で、隠蔽工作に直接的にかかわった当事者だ。その本人が「今回の総選挙は日本共産党の99年の歴史において初めて政権入りにチャレンジする選挙」などと訴えているのは、自分たちの立ち位置が見えていない証拠である。そもそも政権入りの「資格」を持たない者が、野心をもち、姿をカムフラージュして、行動している姿にしか映らない。

同党が本当に政権に入りたいのであれば、まずはこの問題をきちんと社会に向けて謝罪し、「51年綱領」の隠蔽工作の過去の言動を反省し、総括することが前提として不可欠だ。ちなみに、「51年綱領」が当時の同党の「正式な綱領」であった事実は、当時の同党の機関紙「アカハタ」をちょっとひっくり返せばすぐにでも証明できる簡単なことである(拙著『ガラパゴス政党 日本共産党の100年』P49~52でも確認できます)。ウソとゴマカシは、この国の政治と国民生活を破壊する「元凶」となる。このような過去の自分たちの行動にすらも責任を持とうとしない無責任な政党が、政権内に参入すれば、日本がいいように破壊されることは明らかだ。そうした行動に手を貸しているのは、現状では立憲民主党である。

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