門脇護の「曲解」から始まった愛知県知事リコール不正問題

愛知県知事をリコールするための署名が8割以上偽造だった問題で、運動の事務局長やその家族らが逮捕された。署名を偽造したのは選挙で投票者になりすますのと同じことなので罪が重いとの識者の指摘もある。つまり、このリコール署名では8割以上が「替え玉投票」だったことになる。民主主義の破壊行為と知事が怒るのも無理はない。この問題で本日付の中日新聞と東京新聞は「作られた民意」(上)で、署名活動が始まる3カ月前の2020年6月1日、高須別邸に、高須、田中(今回逮捕)、河村など6人が集まって作戦会議を開き、そこで名古屋市長の河村が「事務局はあんたがやりゃあええ」と田中を事務局長に指名したくだりが描かれている。県議を2期つとめた後、落選が続いていたという田中にとって、このリコール運動を成功させて、国会議員になるのが「夢」だったという。そこに野心があったことは明らかだろう。だがその田中を事実上指名したのは、河村市長その人だったという。その河村市長にリコール運動をけしかけたのは、作家の門田隆将(本名・門脇護)で、その証拠は雑誌の紙面として複数残されている。門田がしゃかりきになった背景には、昭和天皇が燃やされる映像が含まれていたためだったが、門田はその出品者に取材して真意を確かめた形跡はない。要するに自分の「曲解」をもとに、河村市長に運動をけしかけ、結果的にこの事件は起きたともいえる。

取材しない、確認しない、自分の思っていることは常に正しい。この事件は、門脇護の「倒錯した人格」の歪みが、そのまま反映されて始まった運動によって生まれたといえる。

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