愛知県で起きていること

あまり全国規模のニュースにはなっていないが、愛知県で異様な運動が繰り広げられていることをご存じだろうか。愛知県の大村知事をリコールするための署名運動がこのほど締め切られ、集計作業に入っている。この運動を推進している「勢力」がいまどきの極右勢力なのだ。昨年夏、同県で「あいちトリエンナーレ」という催しが開かれた。その中に多くの芸術家が作品を出展するコーナーがあって、昭和天皇を批判する作品や慰安婦の少女像の作品が入っていた。昭和天皇はいうまでもなく、昭和のこの国の戦争の最高責任者であり、310万人の日本人を死に至らしめた張本人だ。だが戦後のいきさつで責任なしとして扱われ、多くの側近軍人がA級戦犯として絞首刑とされたのと対照的に日本国の象徴として存続した経緯がある。当該芸術家はそうした戦争責任の象徴として昭和天皇を作品化したものと思われるが、ここに近年勢力を伸ばしてきた「極右勢力」がかみついた。これは2000年におよぶ日本の天皇制に対する「反日行為」であると問題をすり替え、主催責任者である愛知県知事に矛先を据え、批判活動を始めたからだ。この極右の批判活動に、足元の河村名古屋市長も加担していることが愛知県の特色といえる。その署名活動の多くがすでに締め切られ、本日、署名数が発表される予定という。米国の大統領選挙も大事だが、この国の象徴的な事柄にも、注意を払っていただきたいと思う。

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