負の特質

本日付の毎日新聞で加藤陽子さんがコラムを掲載している。いうまでもなく今回日本学術会議で任命拒否された6人のうちの1人だ。私はこの人が6人の中に入っていなかったらこの問題にそれほど強い関心を持たなかったかもしれない。この方の著作に最近も助けられたことがあったからだ。歴史学において高名な学者の一人と認識している。今回政権側が6人を拒否した理由は、時の政権の政策に反対した過去があるというものだろう。だがそれを認めた途端、政権は「終わり」を告げる。だから絶対に明らかにすることはできないはずだ。問題の本質は、6人の立場になって考えることに尽きると思う。公平性が失われた政治。これは安倍政治の特質ともみえる現象だったが、その負の遺産が引き継がれた形が露呈したということにすぎない。政治は公のものだ。正当な手続きにおける政治的批判は常に甘受すべき立場にある。それができない政治は「弱い」ということに尽きる。

トラックバック・ピンバックはありません

ご自分のサイトからトラックバックを送ることができます。

現在コメントは受け付けていません。