安倍政治が残した罪

安倍政治についてはそれを無批判に賛美するタイプと、徹底的にけなすタイプの両極端がめだつ。私はこの政権の最大の汚点は、「公正さの欠如」にあったと結論づける。象徴的な出来事は、森友学園問題における財務省の文書改ざんであり、その後の処置に現れたと考える。通常のまともな政権であれば、このような改ざんをおこなった行為は厳しく処罰されるべきであり、逆に関係者が「出世」する前例を残したことは、今後も別の政権が同じことをしても、免責される理由となるからだ。それによって不利益を被るのは実は国民であり有権者である。そうした「悪しき前例」がつくられたのは、いまの政権が続きさえすればよいという自己保身の発想から生まれている。もし公正さを持つ政権であれば、改ざんに関わった役人は、責任者は全員懲戒解雇されておかしくなかった。そのくらいの厳しき差配があってこそ、2度目の不祥事が回避されるメカニズムにつながるからだ。その意味で、この国の政治に大きな《不公正の種》を植え付けたのは、安倍政治の最大の罪であったと考える。

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