愛国者とは

ビジネス社の新刊『われわれが習近平体制と命がけで闘う13の理由』を手にとる。いわゆる嫌中本の類であろうと予測していたら、見事に裏切られた。ビジネス社は最近こんな本を出すようになったのかと新たな感慨をもった。この本は著者が13人の中国国内の識者に取材してまとめた記録だが、よくこれだけ自由に体制批判する人を集めたものだと逆に感心した。言論の自由のある日本国内で中国出身者が好き勝手に発言するのとは次元が異なるからだ。生命の危険にもつながるだろう。なかでも最後の13人目に紹介されている元『人民日報』論説委員の馬立誠氏の言葉は味わい深い。「真の愛国者は、開放的思想と広い視野、冷静な理性的思考の持ち主」。日本の自称愛国者たちの薄っぺらさが、まざまざと浮き彫りになる発言である。

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