普遍的価値を否定する政治

中国政府が香港で行おうとしている行為は民主主義の普遍的価値に反するものだ。同様に日本国内でも政権維持のために「嘘」と「ゴマカシ」を多用する手法は、民主主義の普遍的価値に背くものだといえる。その意味で、習近平の政治と安倍政治は深いところで共通項がある。確かに目先の政権維持のみを考えているとすれば、政権批判は目障りなものだろう。さらに政権転覆を招きかねない危険要因にさえ映るだろう。だから言論の自由という普遍的価値を損なってもそれを除去するというわけだ。日本でも新型コロナウイルスという未曾有の危機に際し、政府や有識者でどのような検討を行ってきたか、その議事録すらとっていないと安倍政権は強弁しているようだ。目先の政権維持にとっては情報公開は不利益にしかならないという発想が顕著だが、もはやこうした政治的姿勢には、国民の利益(将来生まれてくる未来の多くの国民を含む)など眼中にないことも明らかだ。現在、日本と中国という違う国家で見られる共通する政治姿勢は、当然、長期的視点からの「歴史の審判」には耐えられない。ウソで塗り固めた政治でたとえ数年持ちこたえたとしても、そのウソが永久に暴かれない保証などどこにもない。普遍的価値を無視した政治は、最後はみじめに破たんするしかないと思われる。

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