共産党の大ウソを暴いた元赤旗記者

日本共産党が過去についた大ウソの一つに、朝鮮戦争は「アメリカ帝国主義が始めた侵略戦争」というものがある。この内容は同党が「最初の綱領」と主張する61年綱領にも明記されていた。このウソを暴いたのは、実は、日本共産党員である。赤旗記者としてピョンヤン特派員の経験をもっていた萩原遼氏だ。赤旗編集局を途中で退職し、数百万円の退職金を元手にアメリカに渡ってアパートを借り、米国の公文書をひたすら読み続けた。その結果、北朝鮮が先に仕掛けた戦争であったことを突き止めた人物として知られる。その成果が93年に『朝鮮戦争~金日成とマッカーサーの陰謀』(文藝春秋)として結実した。まさにジャーナリストとして本懐の仕事といえよう。当然ながら、日本共産党から好意的な反応を受けるはずはなかった。同党は、朝鮮戦争を「アメリカが仕組んだ侵略戦争」とあべこべに虚偽主張してきたが、実際は北朝鮮側から仕掛けた社会主義国側からの侵略戦争であった事実が暴かれてしまったからだ。当然ながら、不破哲三らのメンツは丸つぶれとなった。萩原氏がその後同党を除籍されるまでの経緯に、この問題が大きく横たわっていることは明白だ。真実を暴く言論人は煙たがれる――。萩原氏は高知県の出身だが、名誉や富を求めず、真実のみを追い続けた、私にとっては「鏡」とも思えるジャーナリストである。

トラックバック・ピンバックはありません

ご自分のサイトからトラックバックを送ることができます。

現在コメントは受け付けていません。