日本のリーダーシップの失敗

台湾につづき韓国のプロ野球が開幕する。7月に開幕できるかどうかを検討しているとされる日本とは大きな違いである。新型コロナウイルスに対する台湾の反応は「最速」だった。初報段階から中国政府の隠蔽を視野に入れながら人の行き来を止め、「最少」の感染に押しとどめた。一方韓国は日本と同様に当初は「後手」に回り、一時は日本以上に感染を拡大させる局面もあったが、今となっては見事に終息させた。どちらも過去に対策上の経験を持っていたとはいえ、それだけが原因とは思えない。日本の場合は「構え」がなかったのと同時に、対策にかける「布陣」にも大きな失敗があった。内閣の要である官房長官を危機管理の重要ポストで扱わせず、役所の動きがちぐはぐになったことが指摘されている。原因は安倍首相の後継をめぐる思惑とされている。首相が適材適所の体制を構築できなかったばかりに、アベノマスクをはじめ、ありえない政策が繰り広げられた。さらに医療機関では必要な器材がそろわない状態が今も続き、市中の感染拡大も止まらないまま、先行きの見えない緊急事態宣言を延長している。隣国の見事な政治さばきとは対照的な姿を見せている。はっきりいえることは、最高リーダーのちょっとした心の動きが、大きく道を変えてしまうことだ。公に奉仕する一念で100%満たされたリーダーでなければ、有事の首相など務まらないということだろう。

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