利用価値がないとすぐに切り捨てる日本共産党

日本共産党の中国に対する態度は、同党の非人間主義を象徴するものとして興味深い。中華人民共和国の建国を「中国革命の偉大な勝利」(日本共産党1961年綱領)などと持ち上げ、共産主義陣営の輝かしい象徴のように賞賛していたにもかかわらず、60年代半ばになり関係悪化すると、関係を断絶させた。さらに98年に日中両党の関係が回復すると、再び中国を「社会主義をめざす国」として評価するようになった。そして昨今は、「その行動は社会主義と無縁であり、共産党の名に値しない」などと批判を強めている。

都合のいいときは持ち上げ、都合が悪くなると罵る。要するに日本共産党の行動基準は、自らに役立つものを評価し、逆のものは排斥する。利用価値のあるものだけを尊ぶという、自己本位な行動の典型だ。これが同党の非人間主義の体質にそのまま結び付いていることは言うまでもない。こんな政党が政権内に入って権勢を振るうようになったら、中国どころの話ではなくなる。非人間主義は当然ながら、人間を幸福にしない。まして与党経験のない「青二才」が、政権党を長く続けてきた政党を罵倒するなど、身の程知らずもいいところだ。中国からすれば、政権を取ってから言え、ということだろう。

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