野党の「毒」入り政権構想

 私は野党勢力の安倍政権憎しの気持ちが理解できないわけではない。だがその感情が強いばかりに、共産主義政党の危険体質に思いを致さないのは、まったくの片手落ちと考える立場だ。日本共産党はソ連共産党主導のコミンテルン(国際共産党)のもと中国共産党とほぼ時を同じくして産み落とされた政党であり、中国共産党とは切っても切れない関係にある。その証明として、日本共産党は戦後長らく、中国革命を絶賛し、天まで持ち上げていた。一転するのは両党の関係がぎくしゃくし始めた1960年代半ば以降のことだ。

日本共産党は1961年に策定した綱領で、中国革命を大々的に持ち上げていた。さすが共産主義、この姿を見よと宣言するかのような内容だった。一転、2004年に策定した綱領では、中国について「社会主義をめざす国」へと勝手に格下げした。そして今月、「社会主義をめざす国でもない」に事実上、変更する。

このように日本共産党の「憲法」ともいうべき綱領は、すでに理論として、完全に“破綻”を呈している。

日本の健全な民主主義のもと、このような共産主義政党の行動は両立することは難しい。いまは「本性」を隠して誤魔化しているだけで、もはや『毒』と言ってよい存在だ。 その毒のこわさを忘れた学識者などが平気で同党の政権入りに追い風を送っているのが現状だ。その姿はかつて60年前、北朝鮮に渡る北送船の正当性を煽った学識者と同レベルにしか思えない。

公文書改ざんや隠蔽など安倍政権の国民無視の姿勢は明らかに間違っているが、それ以上の本念的な体質を日本共産党は当初から隠し持っている。その点を見落としてはならない。

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