昨日(12月13日)は日中戦争において当時の中国政府の首都・南京が陥落した日から数えて82年に当たった。そのため本日付の新聞では中国現地で追悼式典が開かれたニュースを報じたところがある。「南京事件」あるいは「南京大虐殺」と呼ばれる出来事は実はこの日だけに起きたわけではない。その前後において数万人レベルの不法な殺害が行われ、多くの現地女性が日本軍によるレイプのえじきとなった。そのため日本軍はその後、「慰安所」開設の動きを急いだ経緯がある。
誤解を恐れずに率直に述べれば、この南京事件における被害者数万人は、日中戦争全体の被害者数からいえば、ごく一部にすぎない。だがその一部すぎない犠牲者が今も常に問題となるのは、ひとえに日本側にその事実を認めず、フェイクを流し続けてきた者たちの存在が、被害者である先方を刺激し続けてきたからというしかない。問題の本質はファクト主義なのか、空想主義なのか。この問題は、そうした立場を色分けするリトマス試験紙のようなものだ。
ファクトに基づけば、日本側はこの事件について、謝罪すべき立場にあることは明白だ。誠心誠意そのような立場を維持すれば、この問題が「政治問題」として利用されることもなかっただろう。ひとえに、日本陸軍の不祥事を認めたくない日本側の一部勢力(空想主義者たち)が引き起こし、今も継続を余儀なくされている問題にほかならない。