忘却民族

日本共産党が日本国内で「テロ集団」として活動した67年前、同年の総選挙で35議席あった議席数がゼロとなったことは何度も取り上げてきた。ところが現在の同党は、普通に大手を振って活動している。不思議なことである。ひとつは日本人が忘れやすい民族という点が挙げられよう。どんな出来事も年月が過ぎると忘れてしまうのは人間として普通のことかもしれないが、重要なことでもそうなるとさまざま不都合が生じる。その結果、過去には社会通念上到底許されないような行動をとったことのある団体であっても、年月がすぎ、事件が風化し、同時代に生きた人が少なくなると、まるで事件そのものがなかったかのように振る舞うことができるわけだ。まして多くの虚偽プロパガンダを繰り返し、ブランド力を高めれば、なおさらそうだろう。以上のことは日本国が先の戦争で、被害者としての側面だけでなく、加害者としての側面を持つことにおいてもよく似たところがある。南京大虐殺や慰安婦を騙して多く連れ出した事実などはいずれも歴史上確定している事実ではあるが、日本人の「忘れやすさ」を利用し、さもそうした事実がなかったかのように振る舞う者が急増している時代だ。結局のところ「右」も「左」も、人間である以上、同じような側面を有しているということにほかならない。結論として、中道勢力は「真実」を見失うことなく、都合のよい宣伝に騙されることなく、社会における「安全弁」の役割を果たさなければならない。でなければ、この社会はいいように虚偽プロパガンダによって「煽動」され続けることになる。

トラックバック・ピンバックはありません

ご自分のサイトからトラックバックを送ることができます。

現在コメントは受け付けていません。