小沢一郎の政権獲得ゲーム

15日付の朝日新聞は今月で77歳となる小沢一郎氏の動向を記事にした。同氏は過去に2回、政権交代の原動力となった経験をもつ。ひとつは93年の非自民非共産の連立政権の樹立、さらに21世紀に入ってからは民主党政権をつくった最大の功労者となったが、いずれの政権も中途半端な形で崩壊している。小沢氏にとっては、政権交代という「権力奪取」までが生き甲斐のようで、その後の政治の向上にはあまり関心や執着を持たないようだ。今回、国民民主党の中に入り込み、虎視眈々と政権交代を狙ってシナリオを描いていることは間違いないが、これまでと違って、多くのハードルがあることも事実だ。小沢氏が今回3回目の政権奪取の試みで行っているこれまでと異なる行動は、「革命政党」である日本共産党を助っ人に頼んだという事実に尽きる。政権を取るという目的のためには手段を選ばない小沢氏らしいマキャベリストとしての発想だろうが、こればかりは保守・革新に関係なく、いただけないという有権者が多く存在する。現状の姿だけを見て同党の過去の実態を忘れるのは、日本人が戦争体験をして直接の経験者が生きているうちは戦争が回避されてきたものの、いまや多くの国民が戦争体験していない世代となり、そうした風潮が薄れている傾向とよく似ている。

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