「ウソ」と「誤魔化し」の政治

タイトルを見て「安倍政治」のことと勘違いしてはならない。確かに、安倍政治がウソと誤魔化しで成り立っていることはすでに多くの国民が感じていることだ。一方でそうした安倍政治を堂々と批判しているように見える日本共産党にはそうした要素は微塵も存在しないのだろうか。はたして同党は、「清潔」で「謙虚」な政党なのだろうか。そうした疑問が本日付の「しんぶん赤旗」の2面にまたがる党創立記念日特集記事を目にして沸き起こってきた。そこでは次のような印象操作された日本共産党の像が記されていたからだ。

「96年の歴史をもつ党――不屈のたたかいの到達点にたって」

「戦前の天皇絶対政治とのたたかい――日本国民全体の財産、憲法に実を結ぶ」

「戦後のソ連などによる覇権主義とのたたかい――自主独立の路線、あたらしい綱領」

「日本共産党を除く『オール与党』体制とのたたかい――市民と野党の共闘に実を結ぶ」

 

以上は見開き特集の大きなタイトルを拾っただけのものだが、これだけでも大きな「ウソ」と「誤魔化し」が隠されていることは、歴史の明白な事実だ。

同党は日本国憲法について「憲法に実を結ぶ」などと今では書いているが、戦後まもないころの彼らの先輩たちは、その日本国憲法を激烈に批判していた。さらに「ソ連と闘ってきた」と今では書いているが、そのソ連から産み出された政党が日本共産党であり、長きにわたってソ連を盟主にその「子分」として、絶対的な盲目的服従を貫いてきたのが同党の過去の歴史である。いまはやりの「面従腹背だった」と彼らは言うかもしれないが、そうした過去の「不都合な歴史」は、この見開き特集には、当然ながら何も記されていない。

さらにこの見開き特集の最大の見出しである「日本共産党 平和と社会進歩求め」というタイトルにも、大きな「ウソ」と「誤魔化し」が隠されている。

戦後まもない時期、彼らは暴力革命路線に「突入」し、日本の警察署を焼き打ちにするなどの過激派行動に手を染め、当時の日本国民の震撼を寒からしめた過去をもつ。その結果、共産党はその後当面の間、国会の議席を失い、党勢拡大に大きな「回り道」をしたことは歴史の事実だ。

だから正確には、「日本共産党 平和と社会進歩求め」の代わりに、次のように記すべきであろう。

「日本共産党 戦後は暴力革命をめざしたこともありますが、それは明らかな誤りでした。いまでは平和の党をめざしています――」

こう書いていれば、正確な紙面といえよう。

要するに安倍政治を「ウソと誤魔化しの政治」と批判している張本人も、実は「ウソと誤魔化し」の主体者にほかならないわけだ。

結局のところ、国会で安倍政治を批判する共産党議員の姿を目にすれば、クソがクソを批判している姿ととらえるのが正しい物の見方に思えてならない。

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