本日、自民党総裁選が告示される。5人が立候補する予定だが、所詮は自民党のコップの中の出来事だ。むしろ国民はこれほど長く国政を空洞化させている無責任さに怒り心頭だろう。自民党はだれが総裁になっても大きな違いがない。政治とカネの問題に自分の身を切って改革しようという“猛者”は存在しないし、外国人政策一つとってもきちんと勉強し「最適解」を用意している候補は見当たらない。さらに国会の現状は「少数与党」という“異常事態”がつづいている。仮に維新が連立参加して安定多数となったところで、大阪都構想の3回目提案や、異常なレベルの外国人政策、憲法9条2項の削除など、無理筋の要求をすることで連立基盤は一層弱くなる。本命とされる小泉進次郎候補は総理になってもすぐに衆院解散しないと述べた旨が報道されていたが、その前に本人の国会答弁が持つかどうかを不安視する声は根強い。現に第1次政権で失敗した安倍元首相にしても、首相就任前には官房副長官、官房長官、党幹事長などの党と政府の要職を経験してきたが、それでも1年で失敗したのが現実だった。小泉氏の場合はそのような行政全般を司る政治経験は皆無だ。特に新政権はスタート・ダッシュ(ロケット・スタートできるかどうか) の勢い が重要で、最初からチンタラしている政権では、改革は絶対にムリだ。第2次トランプ政権が政権奪取後、次々に変革を打ち出しているようなスピードが、トランプ政権とは違う意味で“正しい方向性”で必要になる。小泉氏にその用意があるとはとても思えないのだが…。