他責思考の行き着く先

自分たちの生活が苦しいのは外国人が優遇されているせいだ。事実的根拠を伴わないこのデマが一部日本人の心に浸透したのは、「他責思考」を利用した情報操作といえる。日本人はもともとこの思考方法が強いのかもしれない。他責思考は先の戦争の総括においても、日本人は悪くなかった、仕方のない戦争だったとの方向に流れがちで、事実的根拠もなく、南京大虐殺はなかった、日本軍慰安婦にされた人たちは全員商売目的の売春婦だった、などの歴史的経緯を歪めた耳障りのいいデマに脳内転換する。実際にそのようなデマを意図的に発信する雑誌などがこの日本社会では横行してきた。酷かったのはやはり第2次安倍政権時代である。責任を自己責任の方向にむけず、他者に向かわせるこのやり方は一般に「合理化」と呼ばれ、苦しみを伴わない。ただし事実関係も無視してその方向に走ると、手痛いしっぺ返しを受けることは歴史上明らかだ。先の参院選では既成政党(自民党・公明党・共産党)が議席を減らし、新興勢力(参政党・日本保守党など)が議席を増やした。この現象を指して、戦前の様相によく似て来たという評価があることは承知している。このままいけば、やはり戦争に流れるのだろう。米国のなんでもありのトランプ現象とあいまって、日本でも共振化現象が生まれているように見える。さまざまな状況からオーバーステイとなっている外国人を力づくで国外退去させる行動もその一つの現象だ。入国管理行政には戦後、特高警察(正確には外事警察)の流れが入っているが、その特高権力に「やっていいよ」とお墨付きを与えたのは自民・公明だった。社会全体が明白に狂い始めている。

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