合計9年におよぶ安倍政治は日本社会に多くの影響を与えた。その最大のものは同政権が歴史修正主義というレベルを超えて、歴史否定を公然化する政権であったがために、この政権のもとでは何をやっても許されるとの心情から日本中にレイシストが出現し、拡大化されたことだ。その拡大化勢力をどのように扱うか持て余しているのがいまの日本政治の実情と感じる。安倍シンパはすでに自民党から離れ(杉田水脈や長尾たかし、さらに日本会議推薦の有村治子などの支持者を除く)、日本保守党や参政党に流れている。日本保守党は気に食わない相手を訴訟攻めにするなど非常識な側面がすでに知られ、党首自らトンデモ発言を連発するので“回避”された結果、いまは参政党が唯一の選択肢として機能している状況に見える。仮に日本保守党がよりシュっとした政党であったら、もちろんそちらにも人気が集まったはずだ。要するに似たような現象はこんごもしばらくつづくと考えたほうがよい。大事なことは民衆の土壌を賢い方向に耕すことに尽きる。そのためには日本の近現代の正確な歴史を啓蒙する作業が不可欠となる。その意味で、メディアの果たすべき役割は極めて大きいと感じる。