既成政党と新規政党の闘い

既成政党がのたうちまわっているというのがこの参院選の印象だ。それはそのまま有権者の投票動向の行き先に表れている。9カ月前の総選挙で受け皿となった国民民主から、いまは得たいの知れない参政党に向かっているのはその象徴だ。だがその参政党も、党首の発言はブレブレで、しかも筋金入りの復古調。思想的には日本会議や統一教会の関係が指摘され、「大日本帝国政党」と言ったほうがまだわかりやすい。同党の知恵袋の一人に話を聞いたことがあるが、同党が「会費」で党運営をまかなっているという話はかなり意外に思ったことを覚えている。つまり組織運営の側面はどんぶり勘定ではなく、かなりシステマティックになされているということだ。“日本に生じたナチス”という言い方もされるようだが、そのような側面を感じないでもないが、日本の大衆全般がそのように動くとは私には思えない。いうなれば、この政党は現状の日本政治のすき間に咲いたあだ花にすぎない。参議院選挙も最後の1週間に入る。“事実上の政権選択選挙”と位置づけられてきた今回の選挙は、与党側にプラスの要素が少なく、どこも苦戦の状況が伝えられる。“やっている感”の見せ方が安倍政治に比べると圧倒的に低いことに加え(悪い意味ばかりではない)、政治とカネの問題に確たる結論を出さなかったこと、30年棚ざらしになってきた選択的夫婦別姓制度の導入に自民党の自己都合で“先延ばし”になったことなど、与党の決着力の欠如ぶりに愛想を尽かしている層が多いと私は見る。いずれにせよ、戦後80年目の8月は来月に迫る。この記念すべき月を、石破総理のまま過ごしてほしいと考えている。

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