異質への怖れ

ホモ・サピエンスがアフリカを出発して地球全体に広がる過程で、異なるモノへの警戒心は当然遺伝子の中にも蓄積されたはずだ。特に日本列島は四方を海に囲まれた偏狭部族の習性からその傾向が強く、同族意識が強くなったものと見られる。自分たちと異なる民族、国籍に過敏になるのは、そうした「心持ち」が強く出る社会的風潮と関連する。これはホモ・サピエンスのDNAに埋め込まれた一つの表れだろう。一方で人間は理性的な側面ももち、感謝やいたわり、気遣いもできる動物だ。その狭間で揺れ動くのが人間の精神活動といえようが、異質への怖れが極度に高まると、むしろ逆効果の結果となることも多いように感じる。特に現在の日本社会は中国や韓国・北朝鮮への怖れで充満している。特に中国は共産党政権特有の行動が多く出ているので、その側面を見て、中国人は皆こうだなどと非理性的な言説がはびこり、まかりとおる。大事なことは同じ「人間」としての立脚点にたつこと、そこから共通点を見出す方向から出発することだろう。日本人の偏狭な島国根性に精神性を覆われた人々には、その発想が弱い。精神性の弱まりを克服するのも、人間性革命の大きな目的の一つだ。

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