キーワードの「身勝手な振る舞い」

本日付東京新聞が「米政権3カ月」と題する社説を掲載している。その中で「身勝手な振る舞い」というワードが2カ所登場する。「身勝手な振る舞い」はサイコパス(=良心の呵責をもたない人格)について説明する際にしばしば登場するキーワードでもあるので、この社説はサイコパスについては一切論及がないものの、それを実際には浮き立たせる内容となっている。サイコパスは気分がうつろいやすく、自由気ままに振る舞い、行動に一貫性を持たない。良心の呵責が欠けているので、自分以外の人間にどのような悪影響を及ぼし、周囲が困っていても気にする心情をもたない。真の意味での情緒に欠けているのも一つの特性だ(情緒ある人間であるフリをすることは十分にできる)。サイコパスは世の中を自分の“バトル・フィールド”にすぎないと勘違いして認識している。要するに人生を勝ち負けを競うゲーム感覚として捉えている傾向が強い。本日付の別の東京記事では識者が「(日本)国内の1年分の経済成長が消える」とその影響について述べているが、一連のトランプ関税には、就任後1日でウクライナ戦争を終わらせると豪語してみせた象徴的な公約違反の責任を問われなくしようとする意図も、当然まじっているに違いない。本日付日経「Deep Insight」では、政府与党の対応を「バラマキ」と批判し、「それで当座をしのげても、国民の食いぶりを安定的に稼ぎ出せるわけではない。経済対策の的を弱者に絞り、むしろ成長戦略に多くの国費を投じるべきだ」と論じている。日本は今後50年間、経済的に転落していく一方らしいが、トランプ関税でなく、「最大の国難は、貧しき政治ではないのか」とも問うている。石破政権の舵取りの見せ所である。

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