静岡県に「日蓮正宗」という名の泡沫仏教団体が存在する。戦後、創価学会の支援を受けて財政的に豊かになり一定程度発展したが、信徒の浄財で芸者遊びや遊興にふけるようになり、居丈高な行動に出た坊主たちが1991年、そうした風潮を厳しく戒める創価学会を疎ましく思いつつ、ささいなことに難癖をつけ、破門通告書を送付した。
以来、四半世紀がすぎる。
客商売に例えて言えば、もう十分に儲かったからと、長年のお客さんを一方的に切り捨てた構図に等しい。同教団が「人非人」とみなされるゆえんであろう。
ことしの日蓮正宗のテーマは「行動の年」という。宗教団体がこのような年間テーマを掲げるのは極めて滑稽に映る。日ごろ、十分に行動していないことの裏返しにしか思えないからだ。宗教教団として当たり前のことを、ことさら強調しなくては成り立たないほどに、精神的に追い詰められているようにも見える。