コップの中の政争

一般紙を読まない人はほとんど気づかないだろうが、「週刊現代」の最新号で「4・4石破退陣 コバホーク新総裁で衆参ダブル選へ」と決め打ちしたタイトルの記事があったので気になって手に取ってみた。政界の常識として、辞任する気がない首相を引きづり降ろそうと画策することは容易ではない。昨日も京都選出の自民党参議院議員が自身の選挙の行方が気になるのか、夏の参院選をこのままでは戦えないと公然と主張し、本日付産経では今も安倍晋三元首相に忠誠を尽くす阿比留記者がその行為を宣揚するコラムを掲載していた。話を戻すと、上記「現代」記事ではエビデンスは無きに等しく、4月4日という具体的な日程も、過去の森元首相が退陣したタイミングが4月第1週の金曜日だったことに合わせて勝手に作出したものにすぎない。要するに見出しで引っかけて少しでも雑誌を買わせようとする“禁じ手”の一種にほかならない。ふつうに考えて「少数与党」となっている内閣で、だれが首相になろうと大した差は生じない。むしろすぐに代えることのほうが行政能力の蓄積を徒に無駄にし、日本の国益を損なうと考えるのが普通の思考方法だろう。次の参院選で与党が過半数を割る事態となれば辞任は免れないだろうが、それ以前から足の引っ張り合いをする姿は見苦しく映る。

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