800年前の宗教

創価学会の信仰を「カルト」と評する言説をしばしばネット上などで見かけるが誤解もはなはだしい。800年前に生まれた日蓮を「始祖」としているからだ。その意味では昭和100年や、あるいは500年単位で世界の歴史を見ようとした識者などを上回る歴史のスケールがそこには存在する。ただし800年の時間的経過のうちに“前史”が占める期間は長く、日蓮仏法は日本の一部で細々と維持されながら、戦後、創価学会の力によって爆発的に世界に広がった経緯がある。現在、各国に支部組織が存在し、世界組織発足の歴史もことしで50年の節目を迎える。世界中に多くの会員を有しながら、政党という具体的な形を持ったのは日本だけだ。そこには日本の特殊な事情があったはずだ。現にいまの日本政治に、もし公明党の存在がないものと仮定して想像すれば、そら恐ろしいものがある。信仰団体としては「世界宗教」の一翼を占めつつある存在であり、政党としても日本政治に欠かせない存在。特に後段はその事実を率直に認めるかどうかは人によるだろうが、ともかくもそうした社会的存在を「カルト」と呼ぶのは、完全な世間知らずだ。事実認識を大きく誤っているとしか言いようがない。SNSでデマが極めて拡散されやすい現代、なおさらそのことは何度言っても言い足りない。

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