反日新聞の「産経」を読む

本日付の「全国紙」産経新聞の1面トップ見出しは「『南京』の嘘 カナダで拡散」というものだ。同紙の「歴史戦」シリーズの一環だが、この記事では何が嘘かは明示していない。ただただ「南京事件」と「慰安婦」は虚偽であるとの印象操作を図っているだけの記事である。記事の冒頭には次のようなカナダ国会議員の発言が引用されている。

「80年前、旧日本軍はおよそ2~8万人の中国人女性や少女をレイプし、30万人余りが殺害された。当時南京にいた欧米人の目撃者はこの世の地獄のような虐殺だったと証言している」

この記述で誤りがあるとすれば、数字が誇大に表現されている面があるだけで、本質的には、事実そのものだ。南京市内の女性は、女性とみれば老婆までもが日本軍の集団レイプのえじきになり、さらに証拠を隠滅するために多くの被害者女性が事後に殺害された。また万単位の中国市民が法的手続きもへないままに、無残に殺害された。「30万人」という人数が誇大なだけで、旧日本軍がやったということは「真実」そのものである。

「全国紙」の産経新聞は、数字が間違っているからすべてウソとの論理で全部がウソであるかのように印象操作を振りまく、正真正銘の反日的メディアのようだ。日本人は事実を事実としてとらえる力量がなく、都合の悪いものはすべて全否定する卑怯者の集まりであることを、世界に発信しているのが産経新聞だからだ。このような全国紙が日本に存在する限り、歴史問題をめぐる国際的な軋轢は永遠に終わることはないだろう。

自身の「反日的行動」を顧みることなく、事実を事実として述べる者に逆に「反日」の侮蔑を与えて恥じることのない産経同調者たち。中には「ジャーナリスト」や「作家」などと名乗る者もいるようだが、所詮はネット右翼の延長レベルにすぎない内容だ。産経が朝日新聞を叩くとき、自らを省みるという視点は見事に欠けている。

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