本日付産経新聞によると、12月13日に南京陥落80年となるのに合わせ、南京市で行われる追悼式典に、習近平国家主席が出席する見通しとなったという。この式典は3年前から国家レベルに格上げされている。南京市内の大虐殺記念館をはじめ、近郊各地にのこる慰霊碑前などで式典が開催される。
南京事件で犠牲になった人数は研究によって幅があるが、5万から10万人のレベルが妥当とされている。日中戦争で犠牲になった中国人全体の数と比べれば主要なものとはいえないが、その殺害方法が国際法を無視し、大規模に非道な殺し方をしたために戦後、中国側から問題視されるようになった。また日本側でも事実を踏まえずにこのような非道行為がなかったかのように強弁する主張が跋扈するようになり、国際問題となってきた。日本側が史実に基づき、真摯な気持ちで詫びるなら、これ以上は悪用されることもないはずの問題である。
ちなみに旧日本軍関係者でつくる団体自体が、万単位の多くの犠牲があったことを文献上も認めており、現在のネット右翼やそれに類する者たちによる「南京大虐殺はなかった」などの主張はフェイクニュースそのものである。それらは、都合の悪い事実を隠蔽しようとする姑息さにおいて、日本の国益を損なう行為にほかならない。