志位和夫が問題対処できない背景

先の総選挙で自民党2000万円問題をスクープして自公過半数割れに追い込んだと鼻息荒い日本共産党が自らの議席を減退させ、れいわ新選組にすら下回った事態の背景はさほど複雑でない。同党が昨年2月から顕著にさせた異論排除、異論粛清の動きを世間はよく見ており、この政党には任せられないという意識が強く働いたことは明らかだからだ。自らの組織にパワハラやセクハラが横行しているのにそれに〝世間並み〟に対処できない現実は、やはりトップの考えと力量の結果だ。その無責任体質の背景には世間を知らない同党トップの特殊事情が横たわっている。第1に志位議長は民間で腰を落ち着けて働いた経験がない。大学を出てそのまま党本部で勤務している。過去の同党トップは宮本顕治にせよ、鉄鋼労連書記だった不破哲三にせよ、民間経験がある。第2に、志位議長は同党地区委員長など、同党内の現場責任者の経験がない。これもかなり致命的な背景だ。その意味で、現場叩き上げの市田副委員長などにその点で頭が上がらない。さらに3番目に学生時代、志位議長は全学連委員長をつとめるなどの活躍の舞台がなかった。それが同委員長経験者だった松竹伸幸氏に対するやっかみにつながった可能性がある。要するに一言でいえば「純粋培養」である。その結果、外部の目で自分を見る能力を欠いている。外からどのように見られようと、自らの独自論理で生きていけると錯覚している。このような党首の姿勢がつづく限り、同党の変革は永久に困難だろう。

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