自民党総裁選が始まる前からこれほど注目を集める背景には、派閥がなくなった証拠と称して多数の候補者が乱立するバトルロワイヤル状態になっていることに加えマスコミ報道の相乗効果によるところが大きい。ただし、現在のところ当選を有力視される小泉進次郎代議士は次の総選挙を乗り切るための「顔」としての役割しか求められておらず、党の要職も経験せず、政府の要職も大臣1ポストしか経験がなく、いずれ政権が行き詰まると見ている関係者はそれなりにいるようだ。そのことをよくわかっているのは周りの候補者たちで、次の次を見据えて動いている実態があるようだ。小泉氏はたいした思い入れもなかったと見られる憲法改正を喫緊の課題に挙げているが、そうなると次の総選挙は必然的にこのテーマが大きな争点となって浮上する。日本の中期的課題を考えれば、憲法よりも、代議士を“小粒”にした国家としての弊害の大きい衆議院の選挙制度改革に手を着けるほうが「先」であるべきと確信してやまない。