私の日本共産党へのスタンスはしばしば開陳しているつもりだが、はっきりしている。同党の政権批判能力や歴史改竄への批判姿勢を評価し、さらに党員個々人にまったく悪意はない。だがこの政党が集団や組織として機能する場合、しばしば非人間的・抑圧的・冷酷的な素顔をさらすことがしばしばある。昨日、福岡の党職員で、元幹部であった男性が自分のXで自らが除籍され(効能は除名と同じ)、さらに党職員も解雇されたことを発信した。昨年2月、松竹伸幸氏らが除名された党中央の決定に異論を唱え、福岡県委員会として中央に反対意見を述べてほしいと訴え、その場で否決された男性である。男性は自らのブログでその経過を公表し、そのことが規約違反(党内のルールを破るもの)として、長らく、党内調査を受ける立場となっていた。先の松竹氏除名は、党首公選制の導入を訴える新書版書籍を出版したことが理由だった。北朝鮮のようにトップが後継者を指名する日本共産党の不透明・非民主的な党首選抜方式を改め、どの政党も行っているように正々堂々の公選制にしたほうがよいと訴える至極まっとうな意見だったが、党最高幹部らに睨まれる結果につながった。党内部の問題を党外に持ち出したとして、同氏らは除名された。さらにその除名がおかしいとして、自ら所属する組織で声をあげた上記の男性も、この8月「除籍」された。党中央の方針に従わない者はすべてクビ――。私はカンボジアのポル・ポト政権(1975年から79年までつづいたカンボジアの共産党政権。自国民数百万人を殺害した)の再来を、日本国内で見ている気分だ。
「共産党から除籍された」 漫画評論家の神谷貴行氏が投稿 他の党員処分見直しを主張 – 産経ニュース (sankei.com)