「お試し改憲」に走る政治家たち

本日付の毎日(4面)に「岸田氏再選へ改憲利用?」の大きな記事がある。岸田首相が自身の首相延命のために党内保守勢力をつなぎとめるための手段として彼らが熱烈に欲している憲法改正を利用している旨を指摘した記事だが、岸田首相のこのような政治姿勢はまったくいただけない。国民有権者の利益を優先する判断基準ではなく、自身の保身が判断基準となっている姿だからだ。実際に国民有権者にとって、改憲は喫緊の政策課題とはいえない。むしろ第一の課題は中長期展望におけるこの国の国づくりであり、将来的に人口減少が見込まれる国力低下をどのような見地でカバーするかという視点だろう。少子化対策にさらに抜本的に取り組むと同時に、教育改革に大きくナタを振るう必要がある。近現代史の歴史の真実すら教えないこの国で、そうした教育の「ゼロ地点」にまずは誘導し、その上で適切な「世界市民教育」の導入が絶対的に必要と考える。そうした中長期展望の政治を行えるリーダーが次の総理になってほしいと考えるのは、私だけだろうか。

 話を戻すと、憲法改正については公明党も衆院と参院ではまるで“別政党”のように振る舞っている現実がある。これは戦略的にそうなっているのか、結果的にそうなっているのか判然としないが、北側副代表を筆頭とする衆院関係者のこの問題への前のめりぶりは明らかに常軌を逸している。現行日本の貴重な政策的リソースを「お試し改憲」にあてる優先順位の錯誤を、私は指摘したい。

追跡:岸田氏再選へ改憲利用? 秋の総裁選、実績作りに躍起 | 毎日新聞 (mainichi.jp)

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