日本の民事訴訟で賠償命令が出ても、それを支払うかどうかは本人の自由だ。当然、社会的立場のある公人、企業、団体は社会的名声を失うので、支払うケースがほとんどだ。一方、そんなものに頓着しない不特定の個人が支払いを拒否するあるいは支払能力がないことを偽装する場合、なかなか取れないことが多いようだ。先日もある裁判を取材していて、賠償金が支払われていない伊藤詩織さんのケースを知った。ある漫画家が伊藤さんの行動を事実に基づかない内容で誹謗中傷したイラスト画がSNS上で広範囲に拡散され、最高裁で110万円の賠償命令が確定したが、一切支払うことなく、1年近くすぎているケースだ。本人はこのまま逃げ切れると甘く見ているのかもしれないが、日本社会で生きていく上で、このような行為は永久についてまわる。このような先例として有名なのは、2ちゃんねるを主宰していたひろゆきという男性だ。多くの民事裁判で敗訴しながら支払いを拒否しつづけ、現在に至る。このような行動が広がると、日本の「法治体制」が崩壊に向かうことは言うまでもない。もっと驚くことは、公明党がこのような人物と接触し、まるで“まともな識者”として関わっていたことだ。立法に関わる者たちが、法律を無視し続ける人間とコラボする。脇の甘さが顕著に映る。