稲門会の2人

早稲田大学の同窓会は通常、稲門会と称する。いま日本共産党という政党で問題になっている田村智子新委員長による「パワハラ」問題は党内でそれなりの反響を生んでいるようだ。すべては昨年2月の、元党職員に対する除名処分に端を発している。ことし1月の党大会で「排除よりも包摂の論理を」と訴えた大山奈々子代議員(神奈川県議)に対し、とりまとめの発言で、田村副委員長(当時)は同県議への人格攻撃を行った。それが発言内容への批判でなく、発言者への人格攻撃の域にあったことは、田村氏が「発言者」という表現を10回も繰り返していることからも証明できる。大山県議は早大教育学部を卒業後、京都で教壇に立った経験がある。要するに一般社会での社会経験を持つ。一方、田村氏は早大第一文学部を卒業後、民青に就職し、党内でのみ仕事を続けてきたようだ。要するに一般社会との直接の接点よりも「閉ざされた世界」で生きてきた。この違いは大きい。大山県議が党大会において社会から現在の共産党がどう見られているかを基準に問いかけたのに対し、田村氏は党の古い体質のまま、相手を権力から足元を掬われた「党落伍者」であるかのように700人近い代議員の面前で罵倒した(オンライン映像で世界にも流れた)。2人とも同時期に同じ早大で学んでいる。当時から2人の人間関係があったのかどうか定かでないが、田村氏のあの「パワハラ発言」には通常以上の怨念めいた感情がうかがえた。言えることは、一般社会の感覚からかけ離れた政党などありえないということだ。田村路線を突き進む限り、日本共産党は“衰退”を早める。

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