ことし4月から60歳になる学年となる。実際は私は1月生まれのためまだ58なのだが、同級生の間では当然ながら「定年」の話題がしばしば持ち上がる。われわれの年代は大学を出て就職活動をした時期は1987年とか88年だったので、バブル時代に該当し、かなり楽観的な社会風潮だった。若い時代は目先の安定より自由を求める傾向が強く、 私もそちらに足を置いた生き方をしてきた。 結果的に、親が求める大手の一般企業に就職するという経済的安定を求める生き方をとらなかった。停滞の30年をへた現在、経済的にもっとも恵まれているのはやはり公務員(国・地方を問わない)、銀行員、さらに教員だったとの感慨をもつ。同窓会に行ってもいちばん若々しいのは私の個人的見解では教員だ。60前なのでいずれも地元の校長先生に収まっている人も多い。この年齢になると、フリーランサーはあと何年、健康で仕事を続けられるかということに関心が向かわざるをえない。先日も自営業者の小学校時代の旧友と話しているなかで、「あと10年は元気で仕事がしたい」との思いで共通することを互いに発見し、意気投合する場面があった。旧友は地元の電気工事会社の社長である。いつの間にか人生も残りが見えてくる年代に入ったわけだ。フリーランサーは健康がすべて。体を壊しては仕事も生活も続けられない。確たる信仰の大切さを、いやまして感じる年代に入った。