人間という名の獣性

人間の感情においてもっとも強いものは何かというと、個人的には「憎悪」と思っている。この感情は時に増幅され、一度そのトリコにされると、なかなかそこから抜け出すことが難しくなるという特性をもつ。古来、人間同士が行ってきた「戦い」は、人間の内面の本質的なところから発しており、それは現在に至るも変わらないままに見える。一方で人間には獣性とは異なる逆の心理も兼ね備える。言葉として表現すればそれは、慈悲だ。平たくいえば「思いやり」の精神であり、どの国や民族でも見られる、共通した感情である。

人間はすべからく、この2つの側面を内面において兼ね備えており、紛争を解決するには、この人類共通の特質をまずは正確に理解する必要がある。その上で、紛争解決という政治的に有効な「手段」が成立しうる。国連常任理事国が勝手な理由で隣国を武力侵攻した問題と、中東で起きている現状の事態は異なって見えるが、それでも憎悪感情を媒介しながら、人間が殺し合っている事実は共通する。これらの事態を究極的に解決するには、人間の内面に求めていく以外に方法はない。結論するに、人間性を変化させていく以外に方法がない。問題はそうした有効な手段が実際にこの世の中に存在するのかどうかということになるが、仏教(なかんづく法華経)の中にそうした方法が明確に「ある」と主張する団体はある。

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