神道と排外主義は表裏一体

明治から昭和の敗戦までの77年間、この国の思想の根幹にあった国家神道(現在の靖国勢力)は、日本社会に大きな影響を与えてきた。日本独善教といってもよい思想として、近隣諸国を見下し、排外主義を伴う行動を助長してきた。その結末が1945年の「日本亡国」であった。人によってはこの神道のもつ思想的危険性に関心を払わない人もいるだろう。だが安倍政権誕生以来のこの国の神道勢力の増長ぶりは目に余るものがある。日本社会では嫌中嫌韓本が売れるようになり、売上のために大手出版社さえ手を染めた。ヘイトスピーチが日常的な光景となった。「日本はすごい」のデマキャンペーンがことさら強調されるようになった。すべて、同様の傾向を思想的にもつ安倍政権の誕生と無縁ではない。翻って、安倍元首相は昨年、不幸な亡くなりかたをした。その結果、求心力を失った神道勢力は、いまや混乱しているようにも見える。「右のれいわ」と揶揄される百田新党におけるドタバタ劇もその一例だろう。その中で、門田隆将こと門脇護という元週刊新潮のねつ造記者についてウォッチしてきたが、この人物の行動は神道勢力をまざまざと象徴するものだ。いわゆる排外主義的傾向が突出している。ナチスのヒトラーがユダヤ人をせん滅すべき「敵」とみなしたように、門脇は中国を「敵」と公言し、はばからない。そこに対話のチャンネルなど生じようはずもないが、こうした外交の素人たちが、現在はネット社会で大手を振って活躍する。門脇護は神道勢力の本質を示しているという点でわかりやすい存在であるので、今後とも注目していただきたい。

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