耐用年数を超えた日本共産党

日本共産党の101年目となった今年、同党の体質がまざまざと浮かび上がる事態が頻発している。党首公選制を訴える書籍を発刊した元党職員を2月に(問答無用に)除名したほか、ほかにも京都の元幹部を同じ理由で除名にした。さらにそうした党執行部の判断を批判した福岡県の現職幹部が、こんどは処分されそうだとの報道が出るなどして同党周辺は騒がしい。また同党だけでなく、土建組合や民商など関連の団体にも多くの問題が派生して起きている。

同党は戦後、ソ連や中国に倣い日本で暴力革命を試みた時期があったが、日本社会から総スカンを食らって路線を転換。1961年に新たな綱領を策定し、議会で民主的に多数を取ることで革命を成就する方式への2面作戦に切り替えた(要するに暴力革命方式は温存したままだった)。だが現実には警察監視のもとで暴力革命のための武力保持は不可能で、そちらの可能性は事実上なくなっていた。そのため現在の同党は、党大会の正式決定もないまま、暴力革命を捨てた旨を「演出」する。同党の元最高幹部は、武力なしに成功した共産主義革命は地球上に存在しないことを言明しており、同党の「議会で多数をとる」路線は党職員を食わせていくための欺瞞的な方便手段と見られていた。だが冒頭のように同党の本質的な姿が社会において浮き彫りになるのは、日本社会にとっては歓迎すべきことだ。多くの有権者が騙され、政権を奪取されたあとに北朝鮮のような独裁国家になって日本社会全体が地獄に落とされる事態に比べれば、よほど安心だからだ。同党の目先の政治的主張を鵜呑みにできるのは、同党の歴史を知らない人に限られる。歴史の一端を知れば、同党の主張を額面通りに受け取る人は少ない。

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