共産主義政党がネックになる政治

日本共産党が野党的立場で政権監視機能を発揮しているプラスの側面を私は否定しない。だが日本政治の現状を俯瞰してみると、同党が共産主義という時代遅れの旗を掲げている現状がどれだけ日本政治を劣化させているかという点はこれまで何度か書いてきたとおりだ。政治は定期的に政権交代できる仕組みでないと緊張感を生まない。そうした意図から、38年つづいた自民党一党体制への反省のもとにつくられたのが今の衆院選挙制度だ。だが現在の野党側は日本共産党の存在がネックとなる存在となっており、大同団結できない状況が続いている。本日付各紙で市民団体の呼びかけで野党4党幹部(立憲・共産・れいわ・社民)が久しぶりに一堂に会したニュースが出ていたが、状況はこんごも変わらないだろう。別のニュースではロシアのプーチン大統領と北朝鮮の金正恩総書記の会談が流れていたが、いずれの国もかつて日本共産党が「親密な同志」として付き合った国々だ。こうした事実も、日本国内において共産主義政党が現存する事態とかけ離れて見える。

もともと30年前の8党派連立政権は「非自民・非共産」という枠組みで作られた内閣だった。だがその後、現野党サイドが先細りし、「非共産」の原則を捨ててしまい、溺れる者は藁をもつかむ状態に堕してしまった。そのため今後の解決の道は2つしかなく、共産党が共産主義の旗を捨て「普通の政党」となるか、「非共産」の枠組みで再び政権を取れる力を立憲民主党を中心につくり上げるかどうかだ。いずれにせよ、政権交代に現実感が伴わない政治は、政治の劣化を招き、その報いを受けるのは有権者であり、日本に居住するすべての人間だ。

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